空が青いということは、空気が青いのではなく、空気はもとより無色透明のものである。空から来る光は、日光の中の青い光が空気の分子や空気中に浮かんでいるこの種の砂塵に散乱されて、青い光となって人間の眼に入るのである。もともと日光の中には赤も黄も緑も即ち虹の七色があって、これらの色は光の波長のちがいから生じているのである。即ち色々の波長の光の集りである。日光が空気の分子や砂塵に当って散乱される時に、その波長がこの空気の分子や砂塵よりも更に小さい光だけがよく散乱されるのであって、波長の長いものは、これらの微小個体があっても、それでは散乱されずにどんどん通ってしまうのである。それは丁度川や湖などで色々の波が岸へ寄せて来る場合に、岸から少し離れたところに碇を下ろして船があるとすると、小波は舟に遮られて反射されてしまうが、大波は船にあたってもかまわずに通り越して岸に寄せてくるのと似たような現象なのである。:中谷宇吉郎著 [雪]
20100222
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